ソーダニッカの会社説明会に行ってきました
12月13日に開催された、大和IR主催 ソーダニッカの投資家向け会社説明会に行ってきました。ソーダニッカは、苛性ソーダなどの化学品を扱う専門商社です。
2008年12月12日の株価 313円
(東証1部 8158) 1000株単位 3月決算
PER 6.5倍、PBR 0.52倍、配当利回り 3.5%
株主資本比率 28.6%、配当性向目標 安定配当 今期は23%
最近の株価は → ヤフーファイナンス ソーダニッカ
ホームページは → こちらです♪

株価指標から見ると割安ですね。2004年から2006年にかけて3倍以上まで上昇していますが、その後は下落傾向です。

柳社長から説明がありました。他に3名、PC操作に2名で合計6名体制でした。最初に9分ほど会社説明DVDを流してから説明が始まりました。映像で見ると分かりやすいですね。
名古屋でIRを行うのは初めてなので、気合を入れて行いますのでよろしくお願いします。
ソーダニッカは、社名にもなっている産業には欠かせないソーダ製品をはじめ、無機・有機薬品、石油化学製品、合成樹脂製品などを取り扱う化学品専門商社です。これらの商品をメーカーから仕入れ、専門商社としての機能を発揮しながらあらゆる業界に販売している。
化学業界は販売先でもあり仕入先でもあるが、売上に占める割合は20%、紙パ業界も20%、その他業界向けが50%、官公庁向けが10%となっている。
苛性ソーダについて
当社の主力商品である苛性ソーダは、あらゆる産業で使われる基礎素材薬品で需要の裾野が広い特徴がある。苛性ソーダは一般名で、化学名は水酸化ナトリウムといい強いアルカリ性の化学物質です。強いアルカリ性という化学的性質を利用して、あらゆる酸と反応させたり、普通では溶けない物質を溶かしたり、他の金属元素等と反応して違う化学物質・化学薬品を作るのに利用する。
苛性ソーダは工業塩を電気分解して作るが、苛性ソーダ1に対して塩素0.9の割合で分解される。苛性ソーダは紙パ、化学繊維、アルミニウムなどに使われ、塩素は塩ビ、合成ゴム、漂白、殺菌などに使われる。
もう一つ、塩を原料に炭酸ガス、アンモニアガスを反応させて作るのがソーダ灰で、これはガラス原料になる。
苛性ソーダの国内需要は順調に拡大してきたが、使用業種は大きく変わってきている。50年代は化学繊維(レーヨン)業界が需要の半分ほどを占めていたが、今は紙パ業界の需要が最大である。日本でレーヨンを作っている会社はなくなった。パルプを苛性ソーダで溶かして糸にして伸ばしたのがレーヨン、パルプを苛性ソーダで溶かして面にして引っ張り出すと紙になり、パルプを苛性ソーダで溶かして透明にして引っ張り出すとセロハンになる。セロハンを作っているのは二村化学だけになった。セロハンは横に切れる、腰が強いなどの特徴を活かしてセロテープ、花束などの包装用として使われている。
苛性ソーダの市況は、原燃料・塩の値上がりもあるが、需給がタイトで依然強含みで推移しており、下期から大幅値上げが浸透している。国内需要も足元までは素材産業も堅調で順調な納入が続いている。海外も世界的に苛性ソーダが逼迫している。供給面では国内生産量は大手メーカーが増強はしているが、塩を電気分解すると苛性ソーダと塩素が出てくるので、塩素の消費が進まないと苛性ソーダを生産できない。景気が悪くなると先に塩素の需要が落ちてくるので、苛性ソーダを思うように増産できない状況である。ただ当社はトップディーラーとして供給力を持っているので、市況の強い苛性ソーダをさらに拡大したい。
塩についてですが、日本の塩の需要は900万トン、内ソーダ工業用で8割程度720万トン程度を使用している。塩はすべて輸入で、メキシコ、オーストラリア、インドなどから輸入している。海水を仕切って天日干しという原始的な方法で作られており、塩田に適した場所が限られるので増産も進まず、塩の値段も上昇している。
当社の特徴と強み
(1)景気変動の影響を受けにくい
苛性ソーダ、無機製品とも幅広い業種で使用される商品で、工業用や民生用に不可欠な素材のため、景気変動の影響を受けにくく業績が安定している
(2)業界のリーディングカンパニー
苛性ソーダなど主力商品は取扱高1位の商品が多く、業界におけるオピニオンリーダーとしての役割を担っている。当社がソーダ製品のトップシェアを誇る背景ですが、前身の会社が戦前・戦中・戦後とソーダ製品を一手販売していた。独禁法の制定により昭和22年に解散し、東京本社の有力メンバー中心に設立した曹達商事(その後ソーダ商事に社名変更)、大阪支社の有力メンバー中心に設立した新日化産業、その他1社に分かれた。その2社が30年以上を経て昭和54年に合併し、ソーダニッカとなった。社名は2社のソーダと日化を取って付けた。ウイスキーのソーダ割を作っている会社と思われることがあるがそうではない(笑)
(3)系列に属さない独立系商社
大抵の代理店は、特定のメーカーの販売代理店だったり特定地域の代理店が多いが、当社のように全国販売を手がけている専門商社は他にない。国内の大半の化学メーカーとの取引があり、質の高い情報提供を実現している。仕入れも幅広いメーカーから行っている。現在ソーダ工場は全国に25社30工場が散らばっている。
(4)全国での事業展開とストックポイントを有している
当社は北海道から九州まで全国に販売ネットを持っている。そしてソーダ工場の空白地域に4つのケミカルセンター(在庫拠点)を持って、メーカーの在庫機能・安定供給機能を果たしている。
中期戦略について
4つの事業部門のうち、化学品部門については当社のコアのコアの部分なので、強みを活かしてさらに強化を図っていく。
紙パルプ部門は大きな転換期を迎えている。ひとつは紙を漂白するのに塩素を使っていたが、環境問題の高まりから無塩素漂白ということでほとんどの製紙会社が塩素を使わなくなった。代わりに塩素酸ソーダ(商品名はクロレート)を使っているが、大半が輸入である。当社は中国メーカーの有力ソースを確保しているので、クロレートの取り扱い量を大きく伸ばしている。もう一つの変化は製紙会社各社が大型の最新設備を立ち上げていることである。
機能材部門は輸出入を絡めた事業で数字を伸ばしている。
環境部門は日々環境規制は厳しくなっているので、厳しさを当社のビジネスに活かせる様努力している。
成長分野・未開拓分野の開拓については、4つの分野で取り組んでいる。
海外事業分野では、一昨年上海に立ち上げた現地法人を中心に中国国内取引を拡大していく。輸出入の拡大については、輸入では先ほど説明したクロレート、洗剤原料のゼオライトなどが育ってきており、輸出では中国向けに高機能フィルムや食品向けフィルムなどが伸びている。
エレクトロニクス分野はディスプレイ向けなどに販売しているが、焦点が絞りきれず苦戦している。
新エネルギー分野では電気二重層キャパシタがようやく実証化の目処がついてきた。
環境ソリューション分野では、資源を持たない日本にとって資源リサイクルは重要であり、当社でも鋭意取り組みを強化している。また地震大国日本なので液状化防止薬剤にも力を入れている。ライフラインの中心である空港や港湾などはほとんどが埋立地であり、地震対策として液状化防止工事を国土交通省の指導で進めている。他にも原発の地盤強化などもあり、液状化防止薬剤は有望な市場として取り組んでいる。
部門別の売上は各部門とも着実に伸びている。
環境ビジネスについては、当社では昭和30年代後半から取り組み始めたが、大気ビジネス、土壌ビジネス、廃水処理ビジネスの3分野で展開している。長年の間に当社独自の専門性を身に付け環境ビジネスを拡大している。
大気汚染の原因は、重油や石炭を燃やした時に出る硫黄酸化物の影響が大きいが、これを中和処理するのにアルカリ性物質である苛性ソーダや水酸化マグネシウムが使われる。当時は営業マンが煙突のある工場に飛び込み営業をするなど、苛性ソーダ拡販のルーツだと思う。
水処理にも当社は関わっており、あらゆる中和薬品を使い汚水処理・脱臭など水ビジネスを拡大している。これらの環境ビジネスが、日本の空・土・水の環境浄化に役立っていると自負している。
海外事業も輸出入とも順調に伸びている。
業績・株主還元策
過去3年の業績推移を載せているが順調に推移しており、今期も売上で前期比+7.8%、経常利益で+4.6%、純利益で+17.2%を見込んでいる。
株主還元ですが、配当については当社は創業以来無配になったことはなく、常に5円以上の配当を続けている。配当政策としては安定配当を第一に考えている。現在5期連続増配中です。
さらに株主優待も始めており、期末に1000株以上保有の株主様に3千円分のクオカードを進呈している。
最近のトピックスとしては、9月に本社事務所を移転した。東京駅から徒歩5分の便利な場所になった。スポンサー活動としては、顧客の大王製紙のスポンサー活動に協賛し、エリエールレディスオープンで300万円のホールインワン賞を提供している。幸か不幸かまだホールインワンはありません(笑)
いいことばかり言いましたが、世の中ひじょうに急激に実体経済は落ち込んでいる。景気変動の影響を受けにくいと説明したが、そういう特徴を活かしながら悲観もせず楽観もせず、きちっと前を見据えた経営をしていきますので、どうぞよろしくお願い致します。
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質疑応答は大和IRのアナリストからと、会場からの2本立てです。
アナリストからの質問
(1)原料価格下落の業績への影響について
→石油を中心に資源価格が下落しており、ナフサや樹脂価格は下落傾向にある。当社にとっても売上・利益が減ることになるのでマイナス要因だが、主力の苛性ソーダや無機類などは先ほど説明したように市況が強く、メーカーは値上げ姿勢である。よって当社への影響も軽微であると考えている。
(2)苛性ソーダが他の物質に取って代わられることはないのか
→苛性ソーダは塩を電気分解して作るので製造が簡単で、同時に生成する塩素も有効利用できる。製造面から見るとコストが安いという特徴がある。使用する側としても強アルカリ物質としての苛性ソーダはひじょうに反応速度が速く工程管理が易しい、作業性がいいということで使用コストも安い。今のところ苛性ソーダに変わる様な物質は出てこないと考えている。
会場からの質問
(3)中長期的に見て今後どの分野を伸ばしていくのか
→強みを持っていて主力である化学品部門を伸ばして行きたいが、時代の流れから行くと環境部門を次の柱、収益源にしていきたいし、海外部門も伸ばして行かなければならないと考えている。
(4)海外事業展開の予定について
→現在、インドネシアのジャカルタに駐在員事務所、上海に現地法人と駐在員事務所を持っているが、これ以外に設置する計画は今のところない。ただ、従来手の届かなかった領域も含めた、インドネシアあるいは中国で事業領域を広げ数字を拡大して行きたいという気持ちは強く持っている。
(5)金融危機に対する危機意識を感じない説明だったが本当に大丈夫か?対処方法は?
→厳しいご指摘だが、今のところ業績への大きな影響は出ていない。ただメディアでは厳しい状況が伝えられている。1月以降については正直に言って当社への影響も少なからずあると覚悟している。ただ今現在は予定以上の業績で推移しており、通期の数字は下方修正せずに行けると自信を持っている。
(6)環境分野の新事業などの技術開発は自社のみで行っているのか?研究所はなさそうだがどのように行っているのか?
→当社はメーカーではないので研究所はない。専門商社の特徴はいろんなメーカーから多くの商品を入手し顧客に提案できることである。メーカーの技術陣と提携しながら他社の商品も含めた次の展開が図れる、ということで環境ビジネスにも取り組んでいる。
(7)将来を見込んだ有望な環境分野への積極投資は考えらないのか
→もちろん考えられるが、今ここで計画を話せと言われると、今現在は投資としての計画は持っていない。先ほど説明したように、環境ビジネスとしての当社のコーディネート力・専門性を活かした展開を図りたい
(8)新エネルギー分野のキャパシタの将来性は?
→キャパシタはコンデンサの別名で、活性炭や電解液を使った大容量の蓄電システムです。当社はキャパシタの部材販売に取り組んでいる。蓄電システムは地球環境に優しいということで、急速に市場が広がっている。分かりやすく言うと動力を電力に変えて蓄えて、必要な時に電力として取り出して使う。当社はコンデンサメーカー、電池メーカーと製品開発をしていて、本年度中には実証化の目処が立ってきた。
(9)円高が進んでいるが為替の影響は受けるか
→売上に占める輸出入の割合は4~5%に過ぎず、さらに輸入の方が多いので円高はむしろ好ましい。
(10)苛性ソーダの需要が高いのは分かったが、塩素の市場開拓はどのように進めるのか?
→塩素の最大の市場は塩化ビニールで、塩ビ目的のソーダメーカーが大きな電解設備を持っている。塩ビに変わる塩素誘導品はなかなか出てきていない。この面で塩ビの消化不良からくる苛性ソーダの生産抑制という事態になっている。各社この塩素の問題はひじょうに深刻に捉えていて、塩素の市場分野の開発が今後の電解のバランスに大きく影響してくる。
景気の影響を受けにくいとのことですが、商社ということで利益率が低く、販売価格が下がると利益面への影響が大きいように感じます。現状は苛性ソーダの需給がタイトで価格も堅調の様ですが、裏を返せば苛性ソーダの量が限られるので、販売数量の増加は難しいとも言えます。苛性ソーダは幅広い分野で使われているので、安定しているとも言えますが、現状のように全体的に不況になるとやはり大きな影響を受けると思います。今までは良かったのでしょうが、来年以降は顧客からの値下げ要求も強くなり、販売数量も伸びないということで業績への影響が大きくなるのではないかと想定されます。塩ビの需要と苛性ソーダの需要の微妙なバランスで、業績が左右される不安定さも感じますね。
一方、環境ビジネスや新エネルギー分野のキャパシタなど今後が期待できそうな分野も持っています。ただ専門商社で研究所も持っていないということですから、共同で開発しているとはいえ、どの程度開発の主導権があるのかがよく分かりません。メーカー中心に開発したものを、ただ販売するだけだと利益率も低そうですからね。商社とはいえ開発力を磨いていかないと成長性を見込みにくいと感じます。
株価は割安ですが、来期の業績が不透明ですぐには買いにくい感じがします。化学業界には詳しくありませんが、ソーダ製品ではトップですし将来的には面白いかもしれませんね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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お弁当とお茶まで付いていた会社説明会でした♪
2008年12月12日の株価 313円
(東証1部 8158) 1000株単位 3月決算
PER 6.5倍、PBR 0.52倍、配当利回り 3.5%
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株価指標から見ると割安ですね。2004年から2006年にかけて3倍以上まで上昇していますが、その後は下落傾向です。

柳社長から説明がありました。他に3名、PC操作に2名で合計6名体制でした。最初に9分ほど会社説明DVDを流してから説明が始まりました。映像で見ると分かりやすいですね。
名古屋でIRを行うのは初めてなので、気合を入れて行いますのでよろしくお願いします。
ソーダニッカは、社名にもなっている産業には欠かせないソーダ製品をはじめ、無機・有機薬品、石油化学製品、合成樹脂製品などを取り扱う化学品専門商社です。これらの商品をメーカーから仕入れ、専門商社としての機能を発揮しながらあらゆる業界に販売している。
化学業界は販売先でもあり仕入先でもあるが、売上に占める割合は20%、紙パ業界も20%、その他業界向けが50%、官公庁向けが10%となっている。
苛性ソーダについて
当社の主力商品である苛性ソーダは、あらゆる産業で使われる基礎素材薬品で需要の裾野が広い特徴がある。苛性ソーダは一般名で、化学名は水酸化ナトリウムといい強いアルカリ性の化学物質です。強いアルカリ性という化学的性質を利用して、あらゆる酸と反応させたり、普通では溶けない物質を溶かしたり、他の金属元素等と反応して違う化学物質・化学薬品を作るのに利用する。
苛性ソーダは工業塩を電気分解して作るが、苛性ソーダ1に対して塩素0.9の割合で分解される。苛性ソーダは紙パ、化学繊維、アルミニウムなどに使われ、塩素は塩ビ、合成ゴム、漂白、殺菌などに使われる。
もう一つ、塩を原料に炭酸ガス、アンモニアガスを反応させて作るのがソーダ灰で、これはガラス原料になる。
苛性ソーダの国内需要は順調に拡大してきたが、使用業種は大きく変わってきている。50年代は化学繊維(レーヨン)業界が需要の半分ほどを占めていたが、今は紙パ業界の需要が最大である。日本でレーヨンを作っている会社はなくなった。パルプを苛性ソーダで溶かして糸にして伸ばしたのがレーヨン、パルプを苛性ソーダで溶かして面にして引っ張り出すと紙になり、パルプを苛性ソーダで溶かして透明にして引っ張り出すとセロハンになる。セロハンを作っているのは二村化学だけになった。セロハンは横に切れる、腰が強いなどの特徴を活かしてセロテープ、花束などの包装用として使われている。
苛性ソーダの市況は、原燃料・塩の値上がりもあるが、需給がタイトで依然強含みで推移しており、下期から大幅値上げが浸透している。国内需要も足元までは素材産業も堅調で順調な納入が続いている。海外も世界的に苛性ソーダが逼迫している。供給面では国内生産量は大手メーカーが増強はしているが、塩を電気分解すると苛性ソーダと塩素が出てくるので、塩素の消費が進まないと苛性ソーダを生産できない。景気が悪くなると先に塩素の需要が落ちてくるので、苛性ソーダを思うように増産できない状況である。ただ当社はトップディーラーとして供給力を持っているので、市況の強い苛性ソーダをさらに拡大したい。
塩についてですが、日本の塩の需要は900万トン、内ソーダ工業用で8割程度720万トン程度を使用している。塩はすべて輸入で、メキシコ、オーストラリア、インドなどから輸入している。海水を仕切って天日干しという原始的な方法で作られており、塩田に適した場所が限られるので増産も進まず、塩の値段も上昇している。
当社の特徴と強み
(1)景気変動の影響を受けにくい
苛性ソーダ、無機製品とも幅広い業種で使用される商品で、工業用や民生用に不可欠な素材のため、景気変動の影響を受けにくく業績が安定している
(2)業界のリーディングカンパニー
苛性ソーダなど主力商品は取扱高1位の商品が多く、業界におけるオピニオンリーダーとしての役割を担っている。当社がソーダ製品のトップシェアを誇る背景ですが、前身の会社が戦前・戦中・戦後とソーダ製品を一手販売していた。独禁法の制定により昭和22年に解散し、東京本社の有力メンバー中心に設立した曹達商事(その後ソーダ商事に社名変更)、大阪支社の有力メンバー中心に設立した新日化産業、その他1社に分かれた。その2社が30年以上を経て昭和54年に合併し、ソーダニッカとなった。社名は2社のソーダと日化を取って付けた。ウイスキーのソーダ割を作っている会社と思われることがあるがそうではない(笑)
(3)系列に属さない独立系商社
大抵の代理店は、特定のメーカーの販売代理店だったり特定地域の代理店が多いが、当社のように全国販売を手がけている専門商社は他にない。国内の大半の化学メーカーとの取引があり、質の高い情報提供を実現している。仕入れも幅広いメーカーから行っている。現在ソーダ工場は全国に25社30工場が散らばっている。
(4)全国での事業展開とストックポイントを有している
当社は北海道から九州まで全国に販売ネットを持っている。そしてソーダ工場の空白地域に4つのケミカルセンター(在庫拠点)を持って、メーカーの在庫機能・安定供給機能を果たしている。
中期戦略について
4つの事業部門のうち、化学品部門については当社のコアのコアの部分なので、強みを活かしてさらに強化を図っていく。
紙パルプ部門は大きな転換期を迎えている。ひとつは紙を漂白するのに塩素を使っていたが、環境問題の高まりから無塩素漂白ということでほとんどの製紙会社が塩素を使わなくなった。代わりに塩素酸ソーダ(商品名はクロレート)を使っているが、大半が輸入である。当社は中国メーカーの有力ソースを確保しているので、クロレートの取り扱い量を大きく伸ばしている。もう一つの変化は製紙会社各社が大型の最新設備を立ち上げていることである。
機能材部門は輸出入を絡めた事業で数字を伸ばしている。
環境部門は日々環境規制は厳しくなっているので、厳しさを当社のビジネスに活かせる様努力している。
成長分野・未開拓分野の開拓については、4つの分野で取り組んでいる。
海外事業分野では、一昨年上海に立ち上げた現地法人を中心に中国国内取引を拡大していく。輸出入の拡大については、輸入では先ほど説明したクロレート、洗剤原料のゼオライトなどが育ってきており、輸出では中国向けに高機能フィルムや食品向けフィルムなどが伸びている。
エレクトロニクス分野はディスプレイ向けなどに販売しているが、焦点が絞りきれず苦戦している。
新エネルギー分野では電気二重層キャパシタがようやく実証化の目処がついてきた。
環境ソリューション分野では、資源を持たない日本にとって資源リサイクルは重要であり、当社でも鋭意取り組みを強化している。また地震大国日本なので液状化防止薬剤にも力を入れている。ライフラインの中心である空港や港湾などはほとんどが埋立地であり、地震対策として液状化防止工事を国土交通省の指導で進めている。他にも原発の地盤強化などもあり、液状化防止薬剤は有望な市場として取り組んでいる。
部門別の売上は各部門とも着実に伸びている。
環境ビジネスについては、当社では昭和30年代後半から取り組み始めたが、大気ビジネス、土壌ビジネス、廃水処理ビジネスの3分野で展開している。長年の間に当社独自の専門性を身に付け環境ビジネスを拡大している。
大気汚染の原因は、重油や石炭を燃やした時に出る硫黄酸化物の影響が大きいが、これを中和処理するのにアルカリ性物質である苛性ソーダや水酸化マグネシウムが使われる。当時は営業マンが煙突のある工場に飛び込み営業をするなど、苛性ソーダ拡販のルーツだと思う。
水処理にも当社は関わっており、あらゆる中和薬品を使い汚水処理・脱臭など水ビジネスを拡大している。これらの環境ビジネスが、日本の空・土・水の環境浄化に役立っていると自負している。
海外事業も輸出入とも順調に伸びている。
業績・株主還元策
過去3年の業績推移を載せているが順調に推移しており、今期も売上で前期比+7.8%、経常利益で+4.6%、純利益で+17.2%を見込んでいる。
株主還元ですが、配当については当社は創業以来無配になったことはなく、常に5円以上の配当を続けている。配当政策としては安定配当を第一に考えている。現在5期連続増配中です。
さらに株主優待も始めており、期末に1000株以上保有の株主様に3千円分のクオカードを進呈している。
最近のトピックスとしては、9月に本社事務所を移転した。東京駅から徒歩5分の便利な場所になった。スポンサー活動としては、顧客の大王製紙のスポンサー活動に協賛し、エリエールレディスオープンで300万円のホールインワン賞を提供している。幸か不幸かまだホールインワンはありません(笑)
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(1)原料価格下落の業績への影響について
→石油を中心に資源価格が下落しており、ナフサや樹脂価格は下落傾向にある。当社にとっても売上・利益が減ることになるのでマイナス要因だが、主力の苛性ソーダや無機類などは先ほど説明したように市況が強く、メーカーは値上げ姿勢である。よって当社への影響も軽微であると考えている。
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→苛性ソーダは塩を電気分解して作るので製造が簡単で、同時に生成する塩素も有効利用できる。製造面から見るとコストが安いという特徴がある。使用する側としても強アルカリ物質としての苛性ソーダはひじょうに反応速度が速く工程管理が易しい、作業性がいいということで使用コストも安い。今のところ苛性ソーダに変わる様な物質は出てこないと考えている。
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(3)中長期的に見て今後どの分野を伸ばしていくのか
→強みを持っていて主力である化学品部門を伸ばして行きたいが、時代の流れから行くと環境部門を次の柱、収益源にしていきたいし、海外部門も伸ばして行かなければならないと考えている。
(4)海外事業展開の予定について
→現在、インドネシアのジャカルタに駐在員事務所、上海に現地法人と駐在員事務所を持っているが、これ以外に設置する計画は今のところない。ただ、従来手の届かなかった領域も含めた、インドネシアあるいは中国で事業領域を広げ数字を拡大して行きたいという気持ちは強く持っている。
(5)金融危機に対する危機意識を感じない説明だったが本当に大丈夫か?対処方法は?
→厳しいご指摘だが、今のところ業績への大きな影響は出ていない。ただメディアでは厳しい状況が伝えられている。1月以降については正直に言って当社への影響も少なからずあると覚悟している。ただ今現在は予定以上の業績で推移しており、通期の数字は下方修正せずに行けると自信を持っている。
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(7)将来を見込んだ有望な環境分野への積極投資は考えらないのか
→もちろん考えられるが、今ここで計画を話せと言われると、今現在は投資としての計画は持っていない。先ほど説明したように、環境ビジネスとしての当社のコーディネート力・専門性を活かした展開を図りたい
(8)新エネルギー分野のキャパシタの将来性は?
→キャパシタはコンデンサの別名で、活性炭や電解液を使った大容量の蓄電システムです。当社はキャパシタの部材販売に取り組んでいる。蓄電システムは地球環境に優しいということで、急速に市場が広がっている。分かりやすく言うと動力を電力に変えて蓄えて、必要な時に電力として取り出して使う。当社はコンデンサメーカー、電池メーカーと製品開発をしていて、本年度中には実証化の目処が立ってきた。
(9)円高が進んでいるが為替の影響は受けるか
→売上に占める輸出入の割合は4~5%に過ぎず、さらに輸入の方が多いので円高はむしろ好ましい。
(10)苛性ソーダの需要が高いのは分かったが、塩素の市場開拓はどのように進めるのか?
→塩素の最大の市場は塩化ビニールで、塩ビ目的のソーダメーカーが大きな電解設備を持っている。塩ビに変わる塩素誘導品はなかなか出てきていない。この面で塩ビの消化不良からくる苛性ソーダの生産抑制という事態になっている。各社この塩素の問題はひじょうに深刻に捉えていて、塩素の市場分野の開発が今後の電解のバランスに大きく影響してくる。
景気の影響を受けにくいとのことですが、商社ということで利益率が低く、販売価格が下がると利益面への影響が大きいように感じます。現状は苛性ソーダの需給がタイトで価格も堅調の様ですが、裏を返せば苛性ソーダの量が限られるので、販売数量の増加は難しいとも言えます。苛性ソーダは幅広い分野で使われているので、安定しているとも言えますが、現状のように全体的に不況になるとやはり大きな影響を受けると思います。今までは良かったのでしょうが、来年以降は顧客からの値下げ要求も強くなり、販売数量も伸びないということで業績への影響が大きくなるのではないかと想定されます。塩ビの需要と苛性ソーダの需要の微妙なバランスで、業績が左右される不安定さも感じますね。
一方、環境ビジネスや新エネルギー分野のキャパシタなど今後が期待できそうな分野も持っています。ただ専門商社で研究所も持っていないということですから、共同で開発しているとはいえ、どの程度開発の主導権があるのかがよく分かりません。メーカー中心に開発したものを、ただ販売するだけだと利益率も低そうですからね。商社とはいえ開発力を磨いていかないと成長性を見込みにくいと感じます。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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